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コラム(月1更新)
暗号資産の利益が「一律20%」に? 税制改正の注意点
1.現在はどのように課税される?
現在、個人が暗号資産を売却・使用して得た利益は、原則として雑所得となり
、給与所得などと合算して所得税を計算します。
所得が多いほど税率が高くなる一方、暗号資産取引で損失が生じても、
原則として給与所得などから差し引くことはできません。
特に注意したいのは、課税関係が生じるのは日本円へ換金したときだけではないことです。
暗号資産で商品を購入した場合や、別の暗号資産と交換した場合も、
保有していた暗号資産を譲渡したものとして利益を計算します。
売却代金を銀行口座へ移していなくても、課税対象となることがあるのです。
2.新制度で何が変わる?
令和8年度税制改正では、一定の「特定暗号資産」の譲渡等による所得を、
ほかの所得と分け、所得税15%・住民税5%の合計20%で課税する仕組みが導入されます。
また、一定の要件を満たせば、控除しきれなかった損失を翌年以後3年間繰り越し、
将来の特定暗号資産の利益から控除できるようになります。
3.暗号資産なら何でも20%ではない
対象となるのは、金融商品取引業者登録簿に登録された暗号資産を、
一定の暗号資産取引業者に譲渡する場合などです。
そのため、海外取引所での取引や登録対象外の銘柄まで、自動的に20%課税になるとは限りません。
前提となる金融商品取引法等の改正法は令和8年7月に成立・公布されましたが、
税制が適用されるのは、改正法の施行日の属する年の翌年1月1日からです。
令和8年9月現在、暗号資産に係る規制の具体的な施行日はまだ定められていないため、
税制の具体的な適用開始日も確定していません。
「暗号資産なら一律20%になる」という見出しだけで売却時期を決めず、
利用する取引所と銘柄が新制度の対象になるかを確認することが重要です。
あわせて、取得価額、手数料、売却・交換履歴を今のうちから整理しておきましょう。
参考資料
国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)(令和7年12月)」
財務省「令和8年度税制改正の大綱(1/9)」(財務省)
衆議院「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案―審議経過情報」(衆議院)

