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コラム(月1更新)
賃上げ促進税制における教育訓練費について
企業の成長力を左右する要素として、近年ますます注目されているのが「人的資本への投資」である。
設備投資や研究開発投資と並び、従業員の能力開発に振り向けた資金もまた、企業の競争力を支える重要な原資となる。
こうした流れを税制面から後押しする仕組みが「教育訓練費の額が増加した場合の法人税額の特別控除」である。
青色申告書を提出する法人が、令和4年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度において、
給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除が適用される場合、
次に掲げる要件の全てを満たすとき、当該法人の当該事業年度の控除対象雇用者給与等支給増加額に、
基礎控除率の10%の上に、さらに5%が加算される。
①当該法人の当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に
算入される教育訓練費の額
(その教育訓練費に充てるため他の者から支払を受ける金額がある場合には、当該金額を控除した金額)から
その比較教育訓練費の額を控除した金額の当該比較教育訓練費の額に対する割合が10%以上であること。
②当該法人の当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に
算入される教育訓練費の額の当該法人の雇用者給与等支給額に対する割合が05%以上であること。
この制度は、租税特別措置法(以下「措置法」)に規定される
「賃上げ促進税制」(措置法42条の12の5)の枠組みに組み込まれており、
法人が前事業年度と比較して教育訓練費を一定以上増加させた場合に、賃上げ要件を満たすことを前提として、
税額控除率が上乗せされる仕組みとなっている。
対象となる「教育訓練費」の具体的な範囲は、
措置法本体ではなく、措置法施行令(租税特別措置法施行令)27条の12の5において定められている。
政令上、教育訓練費とは、法人がその使用人(役員や役員の特殊関係者などを除く)の職務に
必要な技術・知識の習得や向上を図るために支出する費用とされ、
具体的には次のようなものが列挙されている。
・外部の研修機関や講師に委託・依頼して行う研修・講習に係る費用
・従業員を研修施設等に派遣する場合の受講料、施設使用料
・資格取得のための講座受講料や検定試験の受験料
・研修用の教材購入費(消耗品的なもの)
なお、研修施設や設備そのものを取得するための資本的支出は、施行令上も明確に対象外とされており、
あくまで「費用性」のある支出に限定されているため、実務上見落とされないようにご注意ください。
参考:
租税特別措置法第四十二条の十二の五
https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000026
租税特別措置法施行令第二十七条の十二の五

