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ゴーン元会長は有罪?無罪?…役員報酬の再確認

過去5年間で約50億円の役員報酬の過少申告があったとし、11月19日、日産自動車元会長のカルロス・ゴーン氏が逮捕されました。
当初、ゴーン元会長が既に受け取ったお金を隠していたような報道でしたが、逮捕後、退職後に受け取るとした覚書があるといった報道に変わってきました。
今後事件がどう推移していくのかは定かではございませんが、ここでは一旦ゴーン元会長からは離れ、損金となる役員報酬の種類などを簡単に再確認してみましょう。

 

まず全体の原則として、株主総会等の決議が必要になります。
(定款にて定めがある場合、一部取締役会の決議でも可能となることもあります)

 

■1.定期同額給与
(1) 1か月以下の一定期間ごとに、同額を支給される給与(例:毎月○○万円支給)
(2) 次に掲げる改定はOK
イ. 決算の3か月後までに毎年行われる定期改定
ロ. 臨時改定事由に当たる改定
地位・職務内容の変更、その他の類する事情による改定
ハ. 業績悪化改定事由に当たる改定(減額のみ)
経営状況の著しい悪化、その他の類する事情による改定
(3) 継続的に供与される経済的利益でその額が毎月おおむね一定であるもの

 

■2.事前確定届出給与
届出期限(下記(1)~(3))までに納税地の所轄税務署長に事前確定届出給与に関する届出をしている給与です。
(1) 原則:次のうちいずれか早い日(新設の場合、設立日の2か月後)
イ. 株主総会等の決議日or職務執行の開始日 のいずれか早い日から1か月後
ロ. 決算から4か月後

(2) 臨時改定事由による場合:次のうちいずれか遅い日
イ. 上記(1)原則の提出期限
ロ. 臨時改定事由が生じた1か月後

(3) 事前確定届出給与に関する定めを変更する場合:変更事由ごとの日
イ. 臨時改定事由:生じた1か月後
ロ. 業績悪化改定事由:株主総会等の決議から1か月後or変更前の届出に基づく支給日のいずれか早い日

 

■3.利益連動給与(利益に関する指標を基礎として算定される給与)
同族会社以外の法人が業務を執行する役員に対して支給する利益連動給与です。
こちらは、下記要件をすべて満たさなければならないため、現実として非上場会社の場合、適用は難しくなっております。

 

(1) 算定方法
有価証券報告書に記載されるその事業年度の利益に関する指標を基礎とした客観的なもので、次の要件を満たすものであること
イ. 確定額を限度としているものであり、かつ、他の業務を執行する役員に対して支給する利益連動給与に係る算定方法と同様のもの
ロ. 決算の3か月後までに一定の報酬委員会の決定、その他これに準じる手続きをしていること
ハ. 内容の決定後遅滞なく、有価証券報告書に記載、その他一定の方法により開示されていること

(2) 支払い(見込みでも可)
有価証券報告書に記載されるその事業年度の利益に関する指標の数値が確定した後1か月以内であること

(3) 損金経理をしていること

 

以上となります。

 

役員報酬のお支払いや金額の改定などには制約がつきものですので、各期限までに忘れずに手続きができるよう、弊所としてもお手伝いできれば幸いです。

 

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