column
コラム(月1更新)
フリマアプリで仕入れたときの消費税控除について
インボイス制度の導入後、「メルカリやヤフオクで仕入れた商品は消費税控除できるのか?」という疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
フリマアプリでは匿名取引が多く、インボイス(適格請求書)を受け取れないケースも多いため、仕入税額控除の取扱いに注意が必要です。
①古物商の場合:「古物商等特例」が使える
古物営業法の許可を受けた古物商が、インボイス発行事業者以外から古物を仕入れた場合は、「古物商等特例」により帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(消費税法30条7項)。
・対価の総額が1万円以上の場合:帳簿に仕入先の住所・氏名を記載
・対価の総額が1万円未満の場合:匿名取引でも特例の適用が可能
②古物商以外の事業者は「80%・50%経過措置」
古物商以外の事業者、または古物商でも古物営業に該当しない「準古物」を仕入れる場合は、インボイスなしでも一部控除できる経過措置(いわゆる「80%・50%経過措置」)が利用可能です。
・令和8年9月まで:仕入税額の 80%控除可
・令和11年9月まで:仕入税額の 50%控除可
この場合、保存すべき書類は次のとおりです。
・フリマアプリの取引画面(請求書等に準ずる電磁的記録)
・帳簿への「フリマアプリ名」と「アカウント名」の記載
【まとめ】
・古物商なら:帳簿記載のみで控除可(1万円以上は相手確認が必要)
・古物商以外なら:フリマ画面の保存+帳簿記載で80%・50%控除可
・匿名取引でも:「アプリ名+アカウント名」の記載で対応可能
フリマアプリによる仕入れでも、正しい手続きを行えば仕入税額控除の対象となります。取引金額や相手方の属性(インボイス登録の有無、匿名かどうか)に応じて、「古物商等特例」または「80%・50%経過措置」を適切に使い分けることが大切です。
【参照】
国税庁【フリマアプリ等により商品を仕入れた場合の仕入税額控除】
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/106-2.pdf

