コラム(月1更新)
今回は、「源泉所得税の納期の特例」についてご説明いたします。
この制度は、毎月の源泉所得税の納付の手間を減らしたい方にとって、とても役に立つ制度です。
「源泉所得税の納期の特例」とは?
源泉所得税は、給与や報酬などを支払う際に差し引き、支払った翌月の10日までに納付しなければなりません。しかし、従業員が常時10人未満の事業者は、税務署に「納期の特例に関する申請書」を提出し承認を受けることで、年2回にまとめて納付できる特例制度を利用できます。
納期の特例の対象と納付期限
この特例は、給与や賞与、退職手当、税理士や弁護士など専門家への報酬などから源泉徴収した所得税が対象です。納付期限は以下の通りです。
例えば、2025年1月~6月分の源泉所得税は2025年7月10日までに納付します。期限が土日祝日の場合は翌営業日が期限です。
申請方法と注意点
この特例を利用するには、管轄の税務署に「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出し、承認を受ける必要があります。承認は申請月の翌月末日にあったものとみなされ、その翌月から適用開始となります。また、従業員数が10人以上になった場合は、速やかに「納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」を提出しなければなりません。
まとめ
この制度は納付事務の負担を大きく軽減できますが、半年ごとの納付となるため、納付忘れや遅延には十分注意が必要です。納付が遅れると延滞税や加算税が課されることもありますので、期限管理を徹底しましょう。なお、源泉所得税が0円の場合でも納付書の提出が必要ですのでご注意ください。
この特例を上手に活用し、日々の業務効率化に役立てていただければ幸いです。
参考:
「国税庁・No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2505.htm
「国税庁・ A2-8 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請」
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_14.htm