コラム(月1更新)
現在コロナで海外との往来は滞っていますが、コロナ以前にはグローバル化で国際交流が非常に盛んでした。この記事を見ている人の中には、海外旅行が好きな人や留学経験者もいらっしゃるのではないかと思います。
ところで、国際交流に関連して、若者に限定の話となりますが、ワーキングホリデー制度という留学制度があります。ご存知の方が多いかとは思いますが、ワーキングホリデー制度は、国や地域によって規定が違いますが、例えば台湾のワーキングホリデービザを取得した場合、18歳から30歳以下の若者について、1年間の有効期間の間に180日間の休暇滞在許可が下ります。ワーキングホリデービザの場合、就労制限がないので、この有効期間内・滞在期間内であれば、語学学校に行くことも、アルバイトをすることもできます。
ここで、税務の話となりますが、所得税の納税義務者は、国籍ではなく、住所地や居住年数に応じて「居住者」と「非居住者」に分類されます。「居住者」は世界中の所得を納税する義務があり、「非居住者」は日本の国内源泉所得のみを納税する義務があります。(その他、外国籍の居住者は、日本での滞在年数に応じて、「永住者」と「非永住者」に区分され、課税範囲が変わりますが、ここでは横道にそれるので割愛します。)
では、ワーキングホリデーの外国人はどのように課税されるのでしょうか?国税庁のホームページには、「『居住者』とは、国内に『住所』を有し、又は、現在まで引き続き1年以上『居所』を有する個人をいい、『居住者』以外の個人を『非居住者』と規定しています。」とあります。
ワーキングホリデービザの場合、先程の台湾の事例からも分かるように、1年以上住所・居所を有することが確定していません。したがって、ワーキングホリデービザで働いた従業員は、「非居住者」に分類をされます。この「非居住者」の源泉税額の規定は、一般的な日本人の「居住者」と違います。具体的には、給与が支払われるときに、給与明細上では20.42%の所得税がマイナスされます。なので、日本にせっかくワーキングホリデーに来て、日給1万円のアルバイトをしても、手元には8,000円すら残らない計算になります。 この税金を還付してもらうためには、日本で納税管理人を選定して確定申告をするか、本国で確定申告をしなければいけません。
アイエクシード税理士法人 岩松