コラム(月1更新)
新型コロナウイルスの感染拡大により、在宅勤務に切り替えるケースが増えています。 在宅勤務時の電気代や通信費などの費用負担が話題となる中、国税庁が令和3年1月に「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ」を発表しました。
「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ」の内容は7つに分かれています。
①在宅勤務手当 ②在宅勤務に係る事務用品等の支給 ③業務使用分の精算方法 ④通信費に係る業務使用分の計算方法 ⑤通信費の業務使用部分の計算例 ⑥電気料金に係る業務使用分の計算方法 ⑦レンタルオフィス
上記の中で、業務使用分と私用分の線引きが難しい通信費・電気料金の計算方法が示された点は、大きな注目ポイントではないでしょうか。 今回は通信費・電気料金の計算方法をピックアップいたします。
まず、電話料金やインターネットなどの通信費について、FAQでは在宅勤務に通常必要な費用であれば給与課税の必要はないとしています。 その場合の算式は下記の通りです。 「業務のために使用した基本使用料や通信料等=従業員が負担した1ヵ月の基本使用料や通信料等×(該当月の日数÷その従業員の1ヵ月の在宅勤務日数)×1/2」
次に、電気料金にかかる業務使用部分の計算については、上記通信費の算式に業務に使用した部屋の床面積割合が加わります。 算式は下記の通りです。 「業務のために使用した基本料金や電気使用料=従業員が負担した1ヵ月の基本料金や電気使用料×(自宅の床面積÷業務のために使用した部屋の床面積)×(該当月の日数÷その従業員の1ヵ月の在宅勤務日数)×1/2」
通信費・電気料金ともに、上記の算出によらずにより精緻な方法で算出し、従業員に支給している場合も、給与課税しなくて差し支えないとしています。
その他の項目については下記URLをご参照ください。
▼国税庁 在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0020012-080.pdf
在宅勤務の普及により働き方に大きな変化が生まれ、今まで介護や育児など家庭の事情で離職していた人たちが「働き続ける」という選択肢を得ることができます。 過渡期である在宅勤務、企業・従業員双方が納得できる仕組みを構築できることが令和時代に躍進する企業となるかもしれません。
アイエクシード税理士法人 山下